重機、建機の査定基準
重機は長期間使用し古くなったものでも驚くような査定額が付く事がある反面、比較的新しくてメンテナンスが行き届いてものが思ったより高く売れなかったりもします。
重機の売却価格は銘柄やスペックなどでおおよその相場が決まってきます。
独自性が高いと言われている重機の査定基準についてまとめました。
古い重機は海外での需要によって査定が決まる
何十年も使用した重機や、倉庫に眠っている廃車レベルの重機でも、海外では驚くような高額査定が付く事があります。
これは、重機が世界的規模で不足しており、高い需要があるからです。
特に日本メーカーの重機は質が高いと評判で、使い古されたものでも海外では直しながら長く使えると評価が年々上昇しています。
(日本の乗用車やトラックの中古車輸出需要が高いのと同じ原理で考えて頂ければと思います。)
しかし、全ての重機に海外輸出の需要があるとは限りません。
特に古い重機の場合は発展途上国に輸出される事が多いのですが、その場合、次の二点に注意する必要があります。
ユンボを例にしてみますと、大型タイプは日立製が人気で、小型タイプはコマツやコベルコの人気が高いです。
農業器具では海外から絶大な人気があるクボタは全般的にそこまで重機の海外需要は高くありません。
また、キャタピラ系の重機の場合は、キャタピラが鉄かゴムかによっても海外需要が変わってきます。
国内ではゴムのキャタピラが主流に変わってきましたが、発展途上国では耐久性の高い鉄キャタピラが圧倒的に人気といった差異があります。
ただし、これはあくまで一例に過ぎず、全て輸出業者が好むといった明確な基準やメーカーはありませんので、売却する重機のニーズに合わせて、より高く売れそうな買取業者を選ぶべきでしょう。
なお、海外輸出で人気の条件が整った中古重機はアワーメーターがどれだけ多くても査定減点は少なく、ちょっとしたオイル漏れなどパッキン交換程度で直る不具合も減点にはなりません。
海外では安い賃金でメカニックを雇えるため、手間さえかければ直る不具合であれば査定にさほど影響を及ぼさず高額売却が可能となるのです。
(大きな部品を交換しないと直らないようなものになりますと、現状は問題なく使えていたとしても、大幅な減点対象になりますのでご注意ください。)
国内需要の重機は状態重視
高年式の重機や、国内需要が高い重機はアワーメーターや年式、各種駆動部やエンジンなどの状態を細かくチェックして査定されます。
基本的には新しくてアワーメーターが少ないほど高額査定が付きやすくなり、また、コマツ、CAT(キャタピラージャパン)、日立、KATO(加藤製作所)、コベルコ建機、ヤンマー等の海外でも認知度の高いメーカーであれば高くなりやすく、逆に低価格を売りにしているメーカーなどは状態が良くても高くなりにくいです。
国内需要の場合、再販のための修理や整備を国内で行うので人件費をはじめ、修理場所の確保や移動など様々なコストがかかり、要修理状態まで使い込んでから売却すると大きな査定減点になります。
そのため、海外輸出の人気が低い重機や高年式の重機は使い倒さずに早い段階での売却がトータルでのコストパフォーマンスが高くなる傾向にあります。
また、国内では見た目が綺麗な重機は高値がつきやすいので、中には業者に売ったりオークションに出品する前に外観だけ塗装をしなおして見栄えを綺麗にしてから売るといったケースがありますが、これらの塗装費用を考慮しても一手間加えた方が結果的に高く売れる事があります。
(海外輸出の需要が高い重機だと、塗り直しや修理をしても査定時の加点はほとんどありません。)
売ると決まってからではなく、売却時期が近いと感じたら、一度専門業者の無料査定を受けてみて、海外需要がある重機なのか?や高額売却のための手入れ方法などを聞いてアドバイスを受けてみるとよいでしょう。
ある程度売却時期が近くなったら、売る時の事を考えて整備方法を工夫するのが、より重機を高く売り抜くコツです。