遠隔操作可能な次世代重機

重機のほとんどは最低でも1人が操縦手として必要でしたが、最新の次世代重機では遠隔操作を可能にするタイプが増えています。
遠隔操作可能になることによって次のメリットが生まれ、建設業界に大きな技術革新が起こる事は間違いないでしょう。

・危険な場所で人的リスクなしに作業できる
・人件費の削減
・運転スペースの削除による小型&ハイパワーの両立

特に危険な場所での無人作業で遠隔操作可能の次世代重機は高い期待を寄せられています。
当ページでは、「次世代重機」について詳しく解説していきたいと思います。

中小企業への普及も期待

中小企業へ次世代重機の導入する流れが広がる様子をイメージした画像

重機はただでさえ高額なツールであり、新型が出たからといって気軽に代替できる物ではありませんでした
しかしながら、2017年以降は複数のメーカーから既存の重機に後付け可能の遠隔操作ロボットが発売・発表されており、買い替えに比べて導入コストを大きく下げられるという技術が確立されました。
遠隔操作をすることで得られる仕事も出てくるので、設備投資に対しての費用対効果も期待できるでしょう。
すでに、あらゆる遠隔操作可能な次世代重機を大企業が導入、実用を始めており、近い将来には重機のIT化が中小企業まで広がっていくことが予想されます。

遠隔操作の問題点

重機は繊細な操作が必要なのは言うまでもありません。
現在の技術ですと、遠隔操作した際の重機の動きやモニターの映像等でそれぞれ若干のタイムラグが出てしまうという問題点が確認されています。
なお、この問題を解決するため、すでに次世代の通信規格である5G回線を使った重機の開発が多方面で進められています。
5Gが本格導入されるのは2020年以降と予想されていますが、当該通信技術によって遠隔型重機の普及率が一気に高まるかもしれません。
経営者は近い将来に変化するかもしれない業務形態に対応するべく、必要に応じて資金調達するための情報収集をしておくことをオススメいたします。

建設無人化施工協会とは

建設無人化施工協会のサイトスクリーンショット

遠隔操作の重機が話題になったのはここ最近のことですが、大手ゼネコン11社、メーカー他12社から構成される“建設無人化施工協会”は2001年に発足され、研究開発を進めてきた歴史があります。
2001年発足ということは重機の遠隔操作やコンピューターによる自動操作・無人化計画は20年近く前から進められていたことを意味しており、同協会の努力によってようやく実用化に至ったというところでしょうか。
なお、建設無人化施工協会では、以下の業務に関する無人化技術開発を行っています。

【技術開発の例】

砂防堰堤等 転圧コンクリート(RCC、CSG)、測量、位置出し(マーキング)、有スランプコンクリート、ISM工法、ブロック積堰堤、鋼製スリット
土工事等 土工事(導流堤/遊砂地)、除石工(転石破砕を含む)、頭部排土、土のう設置、伐採工、分解による空輸(山頂部での施工)、除雪、BH・BDによる作業、瓦礫片付け、粉塵防止材散布、水中掘削、吹き付工
構造物設置 BHに把持装置、DTによるブルメタル・ボックスカルバートの運搬作業

【対応機種】

構成機械
機器一覧
バックホウ(ショベルカー)、ブルドーザー、振動ローラー、ダンプトラック、特装運搬車、無人化施工散水車、吹付機、移動カメラ車、パソリンク、固定カメラ、中継タワー、遠隔操作室内

建設無人化施工協会の掲げるキャッチフレーズは
安全・迅速・確実な災害復旧・復興のために」です。
昨今の急激な進化は2011年の東日本大震災および原発事故が関係しているのでしょう。
その後も大阪、熊本、北海道で大規模な地震の発生、河川の反乱による大規模な水害など災害復旧の需要は増加傾向にあり、将来的には南海トラフ地震も懸念されています。
遠隔操作は災害が起こった直後の危険な状況ほど利用するメリットが大きいです。
社会貢献や安全性能&利便性向上等、今後の重機の発展に期待が寄せられています。