中古重機の市場規模今後の動向

中古重機の市場規模は長年安定した高水準を維持しています。
日本の重機メーカーが優秀で世界中から人気が高いのと、重機は高額で新車より手頃な中古を求める業者が多いためです。

中古で稼働中の重機

近年は、インターネットの普及で販売情報の全国拡散が容易になった事や、ネットオークションの普及、業者用オークションのオンライン入札の需要が高まり、大きな盛り上がりを見せています。
重機はスペックや機能性、オプション内容によって求めるユーザーが変わってきます。
販売業者は気軽に全国から買い手を募れるようになった事から、積極的な買取をする業者が増えると同時に買取専門店も増加傾向にあります。

中古重機の流通の仕組み

重機を新車で購入する業者は国の仕事や大手ゼネコンの下請けなどを行っている事が多く、これらの業者は納期の都合で作業効率を重視するため、税金対策を含めて早いサイクルで代替えを行っており、高年式の重機が多数出回る背景の一つともいえます。
また、重機は、部分的に使用(スポット利用)することもあり、仕事の内容で求める重機のスペックが変わってくるという特徴があります。

様々な物流が行われる芝浦ふ頭

その都度重機をレンタルするという方法もありますが、ひとつの現場が数ヶ月単位になることや、中古重機はリセールバリューが高いため、仕事内容に応じて中古の購入と売却を短期~中期で繰り返す業者が多く、国内での需要は常に高い傾向にあります。
さらに、長年日本の重機は海外輸出の需要も高く常に供給不足の状態になっていて、買い占めようとする外国人や輸出業者も多いので、中古相場の価格高騰状態が続いている状況にあります。

中古重機市場の今後の動向

重機市場は通常の需要と特需があります。
通常の需要については、一般的なマンション建設やビル建設、一戸建て、道路工事などの需要のことで、全国には再開発をしようとしているエリアが多数あり、新築マンション建設やショッピングモールなどの大型商用施設、道路整備なども多いことから、通常の需要は今後も減少する可能性は低いです。

特需は現在でいえば、東京オリンピックや長引く東日本大震災復興工事などを指します。特需が多い事も中古重機市場の価格高騰の要因になっていて、大きな特需が2つ重なっている現在は売り時だと言えるでしょう。

将来特需がどのような推移をしていくかは断言できませんが、現状は2020年の東京オリンピック前後をピークに需要減少することが推測されています。
また、こうした現在の特需がひと段落すると、中古重機の流通量が増えて、需要と供給のバランスが今後は変わってくる可能性もあります。
現在の重機市場の動向を見る限り、この先1~3年くらいがもっとも高く売れる可能性があると言えます。

中古重機市場のこれまでと今後の展望